はじめに
健康な状態とは、体の健康のみならず、社会的、精神的そして知的な健康をも含んでいることを理解することが重要です。20年余にわたる研究によれば、StressScan(ストレス・スキャン)は、近年の研究で公表されている仕事における燃え尽き症候群、体の病気、鬱、心配、欠勤、精神的な健康状態といったことがらに関連する重要なリソースおよびリスクを数値で示すものです。
StressScanによって測定されるもの
StressScanは、健康状態に関する15の重要な要因について考察します。これらは、1)ストレス 2)健康の習慣(運動、睡眠/休養、食事/栄養、病気予防の訓練、薬の服用を含む) 3)社会的なつながり 4)タイプAの行動 5)精神的な強靭さ 6)ストレス対処法(プラス思考、マイナス思考、ストレッサーの緩和、問題集中) 7)精神的な幸福 8)回答のひずみ度 などです。
StressScanレポートの構成
StressScanレポートは、理解・解釈がしやすいようにいくつかのセクションに分けられています。
・ 15のStressScan要因の要約(チャート)
・ あなたの結果の解釈
・ 健康上のリスクとリソースの要約
・ StressScanの行動計画
StressScan
StressScanレポートの読み方
あなたの結果はStressScanのグラフに要約され、それ以降に説明があります。
説明のページにもグラフがありますが、それはあなたの行動を、標準化されたT値を用いて、働く成人の大量のデータベースに照らし合わせた比較を示しています。
StressScanの基準となる母集団は、人種、文化の異なる年齢20−68歳、公務員や非営利団体を含む異なる業種、職種にまたがる1,111人の男女から構成されています。
T値は、あなたのスコアを、本アセスメントに使用されたデータベースと比較するために標準化された指標です。T値は、標準偏差として示され、平均値に対してどの方向にどのくらい乖離があるかを示しています。T値は、平均50の「標準化スコア」とも呼ばれています。
あなたのT値が、70以上である場合は、その値が平均から2標準偏差以上離れていることを示し、全体のトップ2%に相当します。(言い換えれば、98パーセンタイルということで、非常に高い値と考えられます)
もし、あなたのT値が、50以上の場合は、平均以上、50以下の場合は平均以下と考えられます。
ご自身のStressScanの結果を見るときに重要なことは、ほとんどの指標で高いスコアは健康になる要素を示し、低いスコアは健康上のリスクを示しているということです。
ただし、3つの指標(ストレス、タイプAの行動、マイナス思考)では反対になります。すなわち、高いスコアは、健康上のリスクがあることを示し、低いスコアは、健康になる要素を示しています。
StressScan
以下は、StressScanの結果をより理解していただくための説明です。
T値70以上 ・・・ 非常に高い(StressScanを受けた人の98%は70以下)
T値60以上 ・・・ 高い (StressScanを受けた人の84%は60以下)
T値55以上 ・・・ やや高い (StressScanを受けた人の69%は55以下)
T値45〜55 ・・・ 平均 (StressScanを受けた人の31%は55以上、31%は45以下)
T値45以下 ・・・ やや低い
(StressScanを受けた人の69%は45以上)
T値40以下 ・・・ 低い (StressScanを受けた人の84%は40以上)
T値30以下 ・・・ 非常に低い(StressScanを受けた人の98%は30以上)
特異な応答パターン
回答のひずみ度は、StressScanの結果を見るときに、考慮すべき特異な回答パターンを識別するのに役立ちます。
StressScan
要約(例)
あなたのスコアの解説:
ストレスとは、日常生活における大小の苛立ちごと、不快感やフラストレーションと定義されています。
StressScanは、あなたの過去3ヶ月間における日常の苛立ちごとを6つの領域で測定しています。
それらは、1)健康 2)仕事 3)経済状態 4)家族 5)付き合い 6)環境と世の中の関心事 です。
仕事上、生活上での瞬間的なストレス、あるいは、頻度の少ないストレスには、それほどのリスクはありません。しかし、ストレスが続くと、人は精神的にも肉体的にも常に昂ぶった状態になり、生物学的バランスを崩す度合いを増加させてしまいます。最終的には、疲労や体の損傷が起き、体の治癒力と抵抗力が著しく落ちてしまいます。結果として、怪我や事故、病気のリスクが高くなります。
仕事上、生活上における慢性的な高レベルのストレスは、免疫システムの効率を低下させ、広範囲の身体障害、認識力障害、情緒障害を引き起こすことがわかっています。ストレスは、いくつかの慢性的な疾患、特に循環器疾患、筋骨格疾病、自己免疫疾患、消化器疾患、に対して深刻な影響を与えているというデータが集まっています。
低いスコアは、心身の健康を最大限に高めるために望ましいといえます。
他の人に比べて、過去3ヶ月間のあなたのストレスは、高いレベルにあります。
従って、あなたはほかに人よりも、ストレス関連の疾患になる可能性が高いといえます。
仕事上、生活上のストレスを減らすために、身体的、感情的、精神的なストレス対処法を増やすと大変効果があります。
StressScan
次の領域で、あなたは過去3ヶ月間に、仕事上、生活上のストレスがしばしば又はいつもあった、と答えています。
もし、これらの環境を変えなければ、将来、免疫障害を引き起こし、ストレス関連の疾患に陥る可能性があります。これらの仕事上あるいは生活上のストレッサーを減少し、無くし、効果的に管理する、継続的な努力をすることにより、長期的な健康をもたらすことができるでしょう。
StressScan
あなたのスコアの解説:
個人の健康に影響を及ぼす40%の要素は、主として自分がコントロールできる行動や生活習慣であると考えられています。
あなたのやる気、業績、長期的な健康、寿命などに大きく影響を及ぼす生活習慣や行動を実践する機会は毎日あります。
このレポートには、以下の生活習慣と健康管理に関するスコアとフィードバックが書かれています。
1. 運動
2. 睡眠・休養
3. 食事・栄養
4. 病気予防
上記の健康全般についてのスコアは、ご自身のスコアをほかの人々と比較した場合にどうかを知ることができるので大変有益なものです。たとえ、あなたのスコアが平均以上であっても、特定の健康管理や生活習慣には注意が必要であることを心に留めておくことは重要です。(例えば、あなたが喫煙者である場合、定期的な運動をほとんどしていない場合、十分な栄養を摂取していない場合など)
高いスコアは、長期的な心身の健康を最大限に高めるために望ましいといえます。
あなたの定期的な健康管理の習慣は平均的なレベルです。こうした生活習慣や健康管理は、あなたの長期的な健康や寿命に良い影響を与えるでしょう。従って、StressScanの行動計画の一環として、あなたが行っている生活習慣の項目1つ以上に焦点を当てて、それらを継続していくと良いでしょう。以下に、あなたの健康習慣についてのまとめが記載されています。
健康のリスクとリソースのまとめ
あなたのStressScanのプロファイルは、ストレスに対処し、心身の保つ能力に影響を与える重要な要因を提示します。この情報を利用することにより、健康を増進していくことができます。下表のあなたの健康のリソースは、健康のリスクをある程度相殺する可能性があります。さらに重要なことは、心身の健康を高める努力の中で、健康のリスクに対処する場合に、あなたの健康のリソースを使ってできる、ということです。もし、下記に何もリストされていなければ、あなたのスコアは、本アセスメントを受けた人々と比較して、平均的であることを意味します。ステップ1:診断
要約のグラフおよび心身のリスクとリソースの表を参照して、心身の健康要因の優先度欄に、あなたが変えたいと思う要因すべてに(X)を入れてください。次に一番右の欄に、あなたが最も変えたい、そして変える自信があり、すぐに始めてみたいと思う項目に(+)を入れてください。最後に、右の余白に、優先順位の高い項目2つを記入してください。
心身の健康を保つためのStressScanの使い方
ステップ2:考察
ステップ1で、直ちに始められる項目を1つか2つ選んでいただきましたので、あなたの行動計画を成功させるための以下の検証質問に答え、行動計画を立てる準備をしてください。
1.選択した要因で行動を変えたときに得られるものは何か?
2.行動変革の目標をどのようにして現実的で達成可能なものにするか?
3.行動変革の進捗をどのように測定し、モニターするか?
4.行動変革を成功させる上でどのような障害があるか?
心身の健康を保つためのStressScanの使い方
ステップ3:計画
これで行動計画の準備はできました。よく考えながら、1度に1つの要因に集中して計画を作成してください。効果的な計画を作成するときに大切なことはSMART(具体的、測定可能、行動志向、現実的、期限付き)であることを忘れないでください。
心身の健康を保つためのStressScanの使い方
ステップ4&5:実行と評価
行動計画を実行し、努力を評価する枠組みができました。新しい習慣を続けるための決意や能力を阻害する状況を予期し、対策を立てておいてください。進捗度合いを評価して、自分に褒美を上げてください。後戻りを防ぎ、行動計画を成功させるために以下を参考にしてください。
ストレス/タイプAの行動/マイナス思考:T値が高いと健康上のリスクあり
その他の項目:T値が高いとOK,低いとリスクあり
パーセンタイル
心身の健康を保つためのStressScanの使い方
(注)
99%
98%
84%
50%
16%
2%
1%
Taro Yamada
StressScan
このレポートは、Consulting
Tools社のソフトStressScan(ストレス・スキャン)を使って作成されています。StressScanは、Western Psychological
Services(WPS)を基にした改良版です。無断複写、転載を禁じます。
Published by Western Psychological
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2007-12月-17日